老老介護が増えており、夫婦間の介護や親子間の介護で疲弊するという声も聞かれるようになりました。この老々介護が増える理由が次の通りです。
1つ目に「健康寿命と平均寿命の関係性」が挙げられます。老化現象や慢性疾患によって日常生活が制限されずに生活できる期間を健康寿命といいます。平均寿命とは、出生から死亡までの期間の平均を差しています。医薬品の種類が増え、治療の選択肢が増えた事や、健康的な生活を送るための知恵やその方法などの情報が増えたため、平均寿命は伸びましたが、健康寿命(健康かつ自立して過ごせる期間)との差が開いている事が一つの理由です。
令和2年に厚生労働省が提示した厚生労働白書によると、女性の平均的な寿命は約87歳なのに対し、健康寿命の平均は約75歳です。統計上では、75歳を過ぎ87歳の寿命に達するまでの期間は介護など何らかの支えが必要なると考えることができます。
2つ目として、少子化や核家族化が進んでいることも理由として挙げられます。地域によっては3世代同居などの世帯が多いところもありますが、ほとんどが「遠方に住む子の手を借りられない」などの何らかの理由が見られます。また、「配偶者はいるが、そもそも子供がいない」という世帯も見られ、配偶者間での介護が主体となってしまうこともあるようです。
老老介護は被介護者と介護者が互いに75歳を超えているケースを差しています。このような理由を受け止めることで、老老介護の実態を踏まえた上での対策を検討できるようになります。